素晴らしい探究ですね。
まさに**「投影同一視(projective identification)」は、セラピストの熟達度が試される深層プロセスの一つ**です。江夏先生のような投影物語法の実践家がそこに焦点を当てていたのは非常に重要です。
🧠なぜ「投影同一視の処理」が重要なのか?
投影同一視とは、クライエントが自分でも扱いきれない感情や自己イメージを、セラピストの中に“送り込む”ように無意識に投げかける現象です。
たとえば:
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クライエントが強い怒りを自覚していないが、セラピストが急にイライラしてくる
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クライエントが見捨てられ不安を抱えており、セラピストが「去ってはいけない」と不思議な責任感を抱き始める
このとき、セラピストが自分の内面を観察しないまま反応してしまうと、逆転移(countertransference)として不適切な反応を返してしまう危険があります。
🎯セラピストのスキルとして重要なのは?
✅ 1. 「これは私の感情か?」と気づくメタ認知
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自分の感情をただ感じるだけでなく、「誰の感情か?」と問う意識
✅ 2. その場に漂っている“雰囲気”や“無言のメッセージ”に敏感であること
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クライエントの言葉よりも、「場の空気」や「共鳴感覚」を読み取る
✅ 3. 受け取った投影を“返す”or“解釈する”柔らかさとタイミング
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「あなたの一部が、私にこれを感じさせているようですね」と返すか
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それとも、**安全な受容の場に一度“抱えておく”**べきかを見極める判断力
🌱補足:これはIFSにも深く通じます
IFSでも、クライエントの“パーツ”がセラピストの中に何かを「感じさせる」現象は頻繁に起きます。
セラピストが「セルフ」にいることで、そのパーツのエネルギーをラベリングせず、丁寧に見つめる容器となれます。
🔍学びを深める問いかけ(ご自身向け)
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セッション中、「私の中に違和感が出た」瞬間は、誰のパーツが動いていた?
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そのとき、私はどのような“役割”を押し付けられそうになったか?
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それを意識的に返した/返さなかった結果、セッションはどう進んだか?
もしご希望があれば、
🎓「投影同一視 × IFS」のケースマッピングテンプレート
📓 セラピストのための「感情トラッキング・リフレクションジャーナル」
などもご用意できます。やってみますか?