最初は、心を癒すために山に出かけていた。家の中にいると、息が詰まり、もう限界だと感じると、山に向かうことが多かった。山は静かで、いつでも自分を受け入れてくれるように思えた。誰もいない山の頂から見下ろすと、自分の悩みが小さなことに思えて、心が軽くなった。
こうして、1年、2年と過ぎていくと、美咲は気づけば、年に128日も山に通っていた。足腰が鍛えられ、体力もついてきた。特に雪山を一人で登ることが好きになり、ゾーン体験もしていた。
そのうち、美咲は「これが自分の道かもしれない」と感じ、登山を本格的に学ぶことを決意。日本で唯一の登山学校のリーダー育成コースに申し込んだ。入学許可には登山経験を証明するリストが必要だった。
初日の講習で、美咲は驚くことばかりだった。受講生35人の中で女性は5人だけ。開校式で気づいた女性たちは、2人が途中で辞退した。残った3人のうち、1人は初日に辞めた。
美咲は2人だけになり、班分けで一番下の班に配属された。しかし、2回目の講習日、雪上訓練では、彼女だけが講師のペースについていけた。そして、滑落停止訓練でも一番上手くこなしたのは美咲で、雪上での生活も慣れていた。チームメイトの一人がテントの狭さに文句を言う中、美咲は心の中で「テントが広すぎると寒い」と思いながらも、黙ってスペースを分けた。
美咲は、紅一点としてチームに大事にされているはずだと思っていたが、次第に気づく。チームメイトは、彼女を大事にしようとする気持ちがあっても、その能力が足りないのではないかと感じるようになった。
例えば、美咲は体重が48kgで、17kgのザックを担いでも歩みは遅くならないが、チームメイトたちは18~20kgを担ぐと、ペースが遅くなってしまう。結局、美咲が一番重いザックを担いで、みんなと同じペースに追いつくことになる。
他の作業でも同様だった。懸垂下降やロープの張り方でも、美咲の方が手際よく、覚えも早かった。美咲は、このままでは危険だと感じ始める。下手したら命に関わるかもしれないとさえ思った。
最終的に、講師は他のメンバーには諦めて、美咲だけを連れて、リードクライミングを教えることにした。リードクライミング技術は選ばれた者だけが学べるもので、光栄なことだった。しかし、美咲はこのことを聞いて、「このチームでは、私がリーダーにならざるを得ないのか」と感じるようになった。
美咲は納得できなかった。自分が最年少で女性で、一番強いなんて…そんなことはおかしいと思った。講師たちは何も言わない。男同士のメンツがすでに潰れてしまっているのだろう。
その沈黙が美咲には、「何か隠しているような、狡さ」を感じさせた。「これ、明らかにおかしいよね? どうして誰も何も言わないの?」だって、最年少で女性の私が一番強いなんて…そんなの、納得できないわ…、あなたたち、”山男”って触れ込みでしょ?
講師たちは、何も言わない。いや言えるはずがあろうか?男同士のメンツはすでにつぶれているのだ。
そして、美咲は、講習日最後の「雪洞泊」の日、講習受講を辞めた。雪洞泊は、一番目の師匠の鈴木さんと、すでに経験があったし、こんなどんくさいクラスメートと雪洞泊して、山に登ったりしたら、そして、その上、リードクライマー役まで任されたら、私の方の体がもたないかもしれないわ…。だって、私、女性なのよ?基礎体力が違うでしょ。私が得るものより、失うものが多いかもしれないわ、と判断したのだった。
そして、美咲は、その後、命がけのリスクになるアルパインクライミングからは足を洗い、平和に楽しくクライミングするのを夢見て、リスクの少ない、フリークライミングに進むことにした。
美しい山々を見ることができるアルパインクライミングには未練があったけれども、たった一人で山に登り続けるにはリスクが大きすぎる。そのうえ、仲間は足かせにしかならないのだ、ということが分かったからだった。
そこで、アルパインクライミングのほうは、阿弥陀北稜という上級ルートに、初見で単独で行くことで一応の区切りを自分につけた。ほかにも美咲一人の力で行ける、最も困難なルートをいくつか登っておいたが、それらはすべて、10の力の内、5か6割で登れる山だった。一人で登る場合は、ピンチの時の余力を残しておく必要があるからだった。
そして、美咲のフリークライミング人生が始まった。
しかし、期待した、フリークライミングは、アルパインクライミング以上に難しい道のりだった。なぜなら、きちんとしたビレイヤーが得難いからだった。そうそうに、美咲は、フリークライミングに興味を失いつつあった。いつでも嫌になったら辞めよう、というのが美咲の気持だった。
そうして、クライミングジムに通い始めると、美咲はぐんぐん上達した。もともと集中力が高いから、すぐに習得してしまう。
中でも、アイスクライミングは、もともと習っていたバレエのワルツステップと同じだと美咲は思った。アイスクライミングは、屋外でしか登れないため、アルパインクライミングの要素もあり、トップロープが中心なので、雪山スタートの美咲にとって、安心感と慣れがあるクライミング形態だった。
美咲には、夏に登る岩のごつごつした感触よりも、真冬の白く美しい氷柱のほうが、長いドレスのすそをなびかせている貴婦人に登るみたいで、心躍った。美咲は、3か月ほどで集中して登り、コンペに出てみたら5位だった。もっとも、競技人口が小さいので、たいした地位ではない、と美咲は思った。
そんな美咲にとっては、冬が恋人だった。
夏の間、美咲は冬に凍る滝を探し求めて、地図の滝マークを目安に、いつも沢を歩いていた。時にカモシカ、時に野生の熊に出くわしたが、美咲は、恐れなかった。自分が彼らの住まいに立ち入っているのであり、逆ではないことをわきまえ、そっとしておいたためか、野生動物との対峙で、危険な目にあったことはないからだ。
そして、ある日、美咲は小さな滝を見つけた。
冬に再訪すると凍っていた。それを師匠に告げると、一緒に行こう!という。そして、その小さな滝で、師匠と登って遊んだ。
これはとても大事な美咲の思い出だ。
そうこうしている間に、また夏が来た。
今年は、どうしようかな…と計画を立てる美咲の元にある情報が舞い込んだ。伝説のクライマー、吉田和正がビレイヤーを探している、という話だった。吉田講習に出てみると、「君は〇〇君と登っていた子かい、そうかい、そうかい」と歓迎してもらった。
それで、美咲は、翌日から吉田さんと登ることになった…。しかし、さすがの美咲も、伝説のクライマーを前に「わたしごときがいいのかしら…」と思っていたので、あちこちに声をかけ、強いと言われるクライマーたち全員にこの情報を伝えた。しかし、誰も吉田さんのビレイを引き受ける奴は、いないみたいだった。「変なの!」美咲はそう思ったが…、「気にしてもしょうがない」と思った。
そして、いくつか、季節がすぎると、美咲は、海外へクライミングに誘われた。韓国だった。そのクライミングで、美咲は英語のクライミング教科書が韓国語に翻訳されているのを登山店で見た。そこで、その出版元に、日本語版も出してほしいと書いて送った。すると、日本語訳が出版されることになった。しかし、日本登山界の反応は冷ややかで、誰もその出版を歓迎していないようだった。
この出版の出来事で、美咲は、世界的なクライミング組織、UIAAの事務局長と友人関係になった。ただ、美咲にとって、これも重荷に感じられた。それを悟った別の人が、「山野井さんが対応してくれるかも…」というのでバトンを受け取ってくれた。山野井さんは泣く子も黙る、偉大な日本人クライマーだ。その前は「倉上慶大」という若手のトップクライマーが美咲の重荷を肩代わりしてくれた。
そして、さらに美咲にとって、転機となるクライミングが起きた。ラオスだった。
美咲はそこで、本当に平等なパートナーシップによるクライミングの在り方を見た。びっくりだった。
美咲はこれまで、ビレイヤーとクライマーの関係性として、ビレイヤーが下で、リードクライマーの取るリスクが大きいのだから、リードが常にえらいのだと教わってきた。このリスクの量の差は、フリークライミングに来ても同じだと思っていたし、実際に同じだった。
しかし、この経験で、レジェンダリークライマーが美咲をパートナーに選んだ理由が分かった。上下関係はなかったのだ。ただ、美咲の出身がアルパインクライミングだったから、美咲が、勝手に遠慮していたのだ。
美咲は自分が楽しめる範囲で、余暇を楽しみたい、というのが基本だった。
ところが、そういう発想で楽しんでいるクライマーは、美咲一人のようだった。
皆はもっと何か大きなものをクライミングに掛けていそうで、美咲は気が引けた。美咲の周りには、トップ中のトップのクライマーしかいなかった。何もかけていない美咲は、例外と言えそうだった。
美咲は、クライミング史を塗り替えたいなどと思ったことはない。43歳の手習いで、そう思う人がいるのだろうか?そっちのほうが変だわよ、と美咲は思った。
そうしている間に、夫の仕事の転勤で、美咲たちは別の土地に行くことになった。
その土地では、美咲は、クライミングに何も意義あるものを見出せなくなった。見るもの、聞くもの、まるで、時代遅れで、「テレビで見る時代劇のようだ」としか思えなかった。
しかし、現地の人々は、自分たちがまるで時代劇みたいなことをやっている、ということにすら、誰も気が付いていないみたいだった。
そういう場では、それを直接、指摘するのも、酷なことに思われた。
しかたなく、美咲は、遠回しに、啓蒙を目的とする啓発的文章をクライミング日誌として書き始めることになった。
せめて、若いクライマーらは、「時代錯誤の時代劇クライミング」から救いたいという親切心から発されたものだ。
あまりにも大昔の稚拙な知識を用いて、あまりにも初歩的なルートで、クライマーや登山者が、毎年死んでいた。
美咲の目には、登る前から死が見えているようですらあったし、そうした死を美化して伝えるマスメディアには、不信感が募った。美咲の目には、ただの犬死としか思えないからだった。
しかし、現地の人たちはそういう死者たちを見下すことで、自分たちの時代劇のような時代遅れのクライミングを正当化しているようだ。そして、その正当化によって、現実への直視を避ける、それがまた時代遅れの技術の温存という悪循環にハマっているようだった。
これが、美咲が、自分への癒しとして、山との対話からアルパインクライミングをスタートしたのにも関わらず、フリークライミングへ進まざるを得ず、そして転地の影響で、本来美咲がしたくないことをする羽目になった経緯だ…。
美咲は、今、なぜ自分がしたいこと、癒しだと思って取り組んだことをしたのに、着地点が、こうも自分を不幸にしているのだろう…といぶかしんでいる。
一体、いつ、どこで、自分は道を誤ったのだろうか???
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自己肯定感の向上
美咲は最初、山に行くことで自分の苦しみを癒し、自分の問題が小さなものに感じられるようになることを経験しました。登山を通じて、自分の力を認識し、自己肯定感を高める過程が描かれています。 -
自立と自己選択
美咲は、登山の世界で小さな内輪の班内で一番強くなることを経験し、自分自身で選ぶことの重要性を感じています。特に、登山学校を辞める決断をした場面から、自分の道を選び、自分のペースで進んでいきたいという強い欲求が表れています。 -
自分の力を試すこと
美咲は、他者との違いを感じ、特に登山学校でのリーダーシップを取ることに対して、疑問を持ちながらも自分の力を証明し、試す場面が多くあります。これは、自分の限界を挑戦したいという欲求を反映しています。 -
平等な関係性
美咲がラオスで経験した平等なパートナーシップのクライミングでは、上下関係がなく、対等な関係を築くことが重要だと認識します。この経験から、彼女は本当に自分が楽しめる形でクライミングをしたいという思いを強く持っています。 -
安心と安定
自然の中で一人で過ごし、安心感を得ることに価値を見出している美咲。フリークライミングを通じて、自由で安定した環境で自己表現できる場所を求めています。 -
自己探求と成長
美咲の登山やクライミングを通じて見られるのは、常に自己成長を目指し、次のステップへ進もうとする姿勢です。どんな状況でも学び、成長し続けることが彼女の求める大きな要素です。 -
社会とのつながりと貢献
地元のクライミング文化の停滞に気づき、それを変えるために啓発的な文章を書き始めた美咲。自分が知っている新しい方法を周囲に伝え、クライミング文化を進化させようという貢献の欲求が見受けられます。
これらのニーズは、美咲が自分の人生やクライミングの経験を通じて、成長し、自己理解を深め、社会とのつながりを築く過程で重要な役割を果たしています。
■ アーキタイプ
探求者(The Seeker / Explorer)
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コアニーズ:自由、自立、自己選択、自分の道を切り開くこと
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根拠:
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「自分のペースで進んでいきたいという強い欲求」
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「自然の中で一人で過ごし、安心感を得る」
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「自己成長」「自己理解」など、内なる旅のモチーフ
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🔥 英雄(The Hero)
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コアニーズ:挑戦、力の証明、自分の限界を超えること
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根拠:
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「自分の力を試す」「リーダーシップへの疑問と挑戦」
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登山を通じて自己肯定感を高めるストーリー全体
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「登山学校の班で一番」(白けた経験)
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🕊️ 愛する者(The Lover)
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コアニーズ:つながり、調和、平等な関係性、美への欲求
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根拠:
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「ラオスでの平等なパートナーシップ」
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「本当に自分が楽しめる形でクライミングをしたい」
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「安心と安定を得る自然との関係」
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🧘 賢者(The Sage)
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コアニーズ:真実の探求、理解、意味付け、自己探求
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根拠:
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「どんな状況でも学び、成長し続ける」
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「登山・クライミングを通じた自己理解」
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他者にも伝える活動(啓発的な文章)=知の共有
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🌍 市民/隣人(The Everyman / The Citizen)
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コアニーズ:所属、貢献、共感、社会とのつながり
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根拠:
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「クライミング文化の停滞に気づき、啓発活動を始めた」
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「社会とのつながりと貢献」への欲求
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補足的に見える可能性のあるアーキタイプ:
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創造者(The Creator):美咲が文章を書くことで、新しい視点や文化を創出している面から。
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魔術師(The Magician):変容を促すプロセス(自己変容・文化変容)を体現している点で、やや含まれるかもしれません。
美咲のアーキタイプ構成(仮案)
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中核アーキタイプ:探求者+英雄
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補助アーキタイプ:愛する者、賢者、市民
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潜在アーキタイプ:創造者、魔術師(状況に応じて顕在化)
もしこの人物像がフィクションであれば、どのアーキタイプをもっと前面に出すかによって、物語のテイストも大きく変わっていきます。
よかったら、「今後どういう方向性に育てたいか」も教えてくれたら、さらに絞り込んだ提案もできるよ🌿
■ 今後の展開
🔮 1章:魔術師への目覚め ― 内なる自然との対話
美咲はある日、岩場で登っているときに、不思議な感覚にとらわれる。ただ技術や筋力で登っているのではなく、**「岩のリズム」や「風の導き」**に身を任せて登っている自分に気づく。登るという行為が、祈りや瞑想のような「儀式」へと変わり始める。
※ これはすでにゾーン体験でクライミング初期からやってきている。
それは、自分の内面と自然のエネルギーが重なる「調律」の瞬間だった。
この体験から、美咲は自然との共鳴を通して、自分も人も癒す力があるのではと感じ始める。
➤ コア成長:「外の課題を征服する」から「見えない力と共同する」へ
➤ アーキタイプの変化:英雄 → 魔術師
📖 2章:賢者の問い ― 知を言葉にし、分かち合う
ラオスでの経験や、日本でのクライミング文化の停滞について、美咲は静かに分析を始める。
ただの感情や活動の記録ではなく、**「なぜ私たちは登るのか」「登ることで何が変わるのか」**という問いに向き合い、文章に落とし込むようになる。
彼女は、岩場での哲学書のようなブログや小冊子を出すようになり、一部の登山者や表現者に共感され始める。
➤ コア成長:「自分のための登山」から「世界との対話としての登山」へ
➤ アーキタイプの変化:探求者 → 賢者
🎨 3章:創造者の道 ― 登るように生きるワークショップ
言葉や体験を通じて、美咲は**クライミングを通じて「人生そのものを創る方法」を人に伝えるようになる。
それは、登ることがうまくなるための技術指導ではなく、「自分の道を感じる」「岩と対話する」「自分の声を取り戻す」**ような体験の場だった。
彼女は、小さな山間の村で、アートとクライミングと対話を組み合わせたリトリートを始める。
そこでは、登山が「道を選ぶ芸術」として、人の魂に火を灯していく。
➤ コア成長:「成長のための登山」から「創造のための登山」へ
➤ アーキタイプの変化:英雄 → 創造者
✨ 美咲の変容ビジョンまとめ
フェーズ | コアアーキタイプ | 成長の象徴 |
---|---|---|
初期 | 探求者+英雄 | 登ることで自分を知る |
中期 | 魔術師 | 自然との対話と変容 |
中後期 | 賢者 | 知を深め、伝える |
成熟期 | 創造者 | 生き方そのものを創造する |
こんな未来、どう?
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「登るように生きる」ライフフィロソフィーを伝えるエッセイ本を出版
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クライミングリトリート(自然×身体×内省)の場を年数回開催
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自然や岩場を舞台に、詩やアートで「地球との関係性」を表現
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世界中の岩場を巡りながら、各地の登山文化と「内なる登山」を対話していく
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静かに、しかし確実に、クライミングの意味を再定義する思想家として知られていく
クライミングから離れても、美咲が求め続けるもの
彼女が本当に求めていたのは、
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自然との融合
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自我を超えた没入体験(ゾーン)
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自分の中心に静けさを見出す瞬間
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何かと「一体になる」快感と静寂
それは「クライミング」という形式の中に偶然見出していただけ。
**つまり本質は“ゾーンに入る生き方”**だったわけだね。
🌀 魔術師・賢者・創造者としての「ゾーン体験を核にした人生」
🔮 魔術師:意識のチューニングを司る者
美咲は、身体と意識を整えてゾーンに入る方法を、様々な領域で探求するようになる。
例:
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呼吸法や気功、スロームーブメント
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書道や舞、自然の中での沈黙のワーク
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人と触れ合わずに通じ合う、非言語的なアート
彼女の興味は「集中状態の起こる条件」に向かい、「どうすれば誰でも入れるのか?」を研究し始める。
➤ 魔術師美咲:「ゾーンとは儀式である」
➤ 活動例:自然の中で静けさに入るセッションや、集中状態を導くリトリートガイド
📚 賢者:ゾーン体験を哲学化し、言語化する者
美咲は、自身の体験と他者のゾーン体験を集め、分析し、そこから「現代の迷い人たちへの知恵」を紡ぐようになる。
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「ゾーンに入るとき、人は本当の自分になる」
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「社会のノイズから離れることで、人は生命のリズムを取り戻す」
彼女の書く言葉は、自己啓発でもスピリチュアルでもなく、**“生活の中の霊性”**のような知に満ちている。
➤ 賢者美咲:「ゾーンとは世界との対話である」
➤ 活動例:小冊子、ブログ、哲学エッセイ、ポッドキャスト、静けさの中の読書会
🎨 創造者:ゾーンを誘発する“場”を創る者
美咲は、人々が自然と集中状態に入れるような「場」そのものを創り始める。
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五感を研ぎ澄ますように設計された空間
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土をいじる、火を起こす、水の音を聞く…など、儀式的で身体的な体験が中心
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絵やダンス、土の造形など、「形にならない芸術」を中心に据えた共同創作の場
そこには「うまくやる」「評価される」という外部基準がない。
あるのは、ただ**“今、この瞬間とひとつになる”**という目的のみ。
➤ 創造者美咲:「ゾーンとは美しさの種である」
➤ 活動例:創造的沈黙の村づくり、自然とアートを融合したリトリートスペース、風や石と話すワーク
✨ゾーン体験が人生の羅針盤になるとき
アーキタイプ | 中心テーマ | 表現手段 | 成熟した姿 |
---|---|---|---|
魔術師 | 意識の変容 | 呼吸、動き、集中 | 意識の調律者 |
賢者 | 知と伝達 | 哲学、言語化 | 精神の案内人 |
創造者 | 美と場 | 芸術、設計 | ゾーンの空間芸術家 |
🪞では、クライミングに戻らないとしたら?
美咲にとってクライミングは 通過儀礼の一つだった。
これからの彼女は、もっと自由に「ゾーン」を求めて、あらゆる活動にその**“入り口”**を探すようになる。
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縫う
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土をこねる
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詩を書く
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静かに山を歩く
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小屋を建てる
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風の声を聞く…
「生きることすべてがゾーン体験の可能性になる」
そんなライフスタイルが、美咲の次のステージ。
この方向性、ピンとくる?
もっと詩的にする?それとも具体的な展開(例:拠点づくり、プログラム内容)に進めていく?
■ アファメーション
いいテーマきたね。
クライミングで美咲が経験した「困難」って、例えば:
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他者の期待や文化に巻き込まれること(自分のやり方じゃなくなる)
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頑張りすぎて、自分の楽しさを置き去りにしてしまうこと
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力を証明しようとして無理をすること
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「上手でなければならない」という思いにとらわれること
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仲間との不健全な関係(上下関係や依存)に巻き込まれること
これらを再演しないために必要なのは、
「私は私の感覚に正直でいていい」「私は私のペースで生きていい」という、芯からの許可。
🌱 美咲のためのアファメーション集(再演を防ぐバージョン)
🧭 自分の感覚を信じる
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「私は自分の感覚を、人生の羅針盤として信じていい」
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「“なんか違う”という感覚が、私の真実」
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「私の違和感は、私を守ってくれている」
⛰️ 力の証明を手放す
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「私は、証明しなくても、すでに価値がある」
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「力は、静けさの中にもある」
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「私が楽しむことが、最大の強さ」
💫 自分のペースを尊重する
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「私は、自分のリズムで進んでいい」
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「ゆっくり進むことは、後退ではない」
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「私の道は、私だけのもの」
🤝 他者との健全な関係
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「私は、上下のない関係を選ぶことができる」
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「私は、心がほどける場所にだけ身を置いていい」
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「私は、対等なつながりの中で咲く」
🎐 ゾーン体験と共に生きる
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「私は、“今ここ”の中で自由になれる」
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「集中と遊びが、私の道しるべ」
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「私は、生きることそのものの中に、美しさを見出す」
美咲がこれらの言葉を、自然の中でひとつひとつ呼吸にのせて繰り返すようにしてもいいし、
アート(日記、詩、身体表現)の中に込めてもいいね。
気に入ったものをいくつかピックアップして、日常のリマインダーにする?
あるいは、特定の出来事に対して効くアファメーションを作っていくこともできるよ。