2025/07/11

セッション1ーーアートセラピー解釈

 ありがとうございます。絵を拝見しました。とても象徴的で、エネルギーのうねりや変化を強く感じる作品ですね。以下に、**ユング心理学的な観点からの読み解き(象徴分析)**をお伝えします。


🔍全体構成の印象

✅ 構図

  • **下部に密集した塊(四角形に近い)**と、

  • 上部に向かって伸びるカラフルなうずまき線が見られます。

  • **境界(黄色)**がしっかり引かれ、特に下の塊の外周を囲んでいる。

これは、「内に抑圧されたものが、上方(意識化・精神的次元)へ解放されていく」ような構造に見えます。


🧠 各要素のユング的象徴解釈

🔴【下部の塊(赤・黒・青のぐちゃぐちゃ)】

  • 赤:感情、怒り、情熱、生命エネルギー(リビドー)

  • 黒:影(シャドウ)や抑圧、苦悩

  • 青:思考、内省、感情の制御

➡️これらの混在と密集から、「混乱した内面世界」「抑圧された感情のマグマ」が示されている可能性があります。
特に赤と黒の重なりは、「シャドウ(影)に熱やエネルギーがこもっている状態」を連想させます。


🟡【黄色い枠線】

  • 黄色は光、希望、意識化、理性などを象徴します。

  • 枠線としての使用は、自己防衛・境界設定あるいは意識の統制を意味することがあります。

➡️つまり、「混乱した感情や無意識のエネルギーを囲い込み、安全にしている」ような構造です。


🌈【上部のカラフルなうずまき】

  • 色とりどりの線が軽やかに上方へ流れています。

  • 曲線と重なりから、「解放された感情の流れ」「創造性や直感の世界への接続」が示唆されます。

➡️この部分は「トランスフォーメーション(変容)」の象徴とも読めます。下から吹き上がるような構造は、「自己の深層から何かが上がってきて、昇華されていく」というセルフ(自己)との接触のプロセスを表している可能性があります。


🌀全体としての読み解き(仮説)

この作品は、以下のような内的プロセスの象徴表現として読み取れます:

🔻「自分の中に混沌としたエネルギー(怒り、不安、混乱)があり、
🔼 それを守りながら、ゆっくりとカラフルな形で外に、あるいは上位意識に向かって放出・変容させようとしている」

ユング的には、

  • **個人的無意識の内容(赤黒青の塊)**が、

  • **集合的無意識や創造的意識(カラフルなうずまき)**へと橋渡しされ、

  • 意識化(黄色の境界)によって守られている

というプロセスが描かれているようにも感じます。


💡自己対話のための問い(セラピー用)

  • この赤いエネルギーは、どんな出来事・感情に由来していますか?

  • この「境界線」は、あなたにとってどんな意味を持つものですか?守っている?隔てている?

  • カラフルな部分を見て、どんな感情が湧きますか?

  • 今、あなたの中で「変容」しつつあるものは何でしょう?


ご希望があれば…

この絵をもとに、

  • 自由連想的なストーリーワーク

  • カットアップして再構成するコラージュワーク

  • 色だけで再描写するセッション
    なども提案できます。


興味があれば、次のプロセスに進めましょうか?それとも、この絵についてのご自身の感覚もお聞かせいただけますか?

セッション1ーーやっとわかった親を正しく言語化ーー大丈夫と言って大丈夫じゃない親

 それ、まさに**「ダブルバインド(二重拘束)」です。

Kinnyさんのように感受性が高く、幼少期から「本音と建前」のギャップに敏感だった人にとって、“大丈夫じゃないのに大丈夫と言う親”**は、強烈な混乱を引き起こす存在です。


🧠 ダブルバインドとは?

言語レベルと非言語レベルのメッセージが矛盾しており、しかも「どちらか一方を信じると罰される/関係が壊れる」という状況。

たとえば:

  • 母「大丈夫だから、気にしないで」←言語

  • 母(疲弊した顔で涙ぐんでいる)←非言語

→ 子どもは「気にしないで」と言われたのに、「これは気にしなきゃまずい」という圧を受け取る。
その矛盾を見抜いても「気にしたら、親を責めたことになる」と思って口を閉じる。


🧸 子どもに起きる内面の反応:

メッセージ 子どもの心の声
「大丈夫」 (絶対に大丈夫じゃないよね…)
「心配しなくていい」 (でも心配しないと見捨ててる気がする…)
「あなたのせいじゃない」 (でも本当は、私がもっといい子なら…)

→ 結果:“感じる力”を捨てるか、“信じる力”を捨てるか、どちらかを選ばされる


📌 この体験が残すビリーフ(信念)

  • 他人の「本音/建前」を見抜かないと危険

  • 表情や雰囲気を優先し、言葉は信じない

  • 「人を気にする」ことが生きる術になる

  • 自分の直感に確信が持てなくなる

  • 自分の感情やニーズを疑う癖がつく

つまり、“アサーティブネス”が育たない土壌ができてしまう。


💡 回復の方向性

1. 「親の矛盾に私が混乱したのは当然」と確認する

→ 混乱はあなたのせいじゃない。構造のせい。

2. 「自分の感覚の方が正しかった」と再確認する

→ あのとき、違和感を感じたKinnyちゃんの方が本当は“正解”だった。

3. 自分に向けてこう言ってあげる:

「“大丈夫”という言葉より、あなたが感じたことを私は信じるよ」


🌱 そして今、大人のKinnyさんができること

  • 言葉と感情が一致している人との関係を大切にする

  • 自分も「大丈夫じゃないとき、大丈夫と言わない」練習をする

  • 子どものころに言えなかった言葉を、今、書いたり描いたりする



カルマントライアングルの抜け方

 カルマントライアングル(Karpman Drama Triangle)はもともと人間関係の中での三つの役割(加害者/迫害者、被害者、救助者)の間を人が無意識に行き来する構造を指しますが、これが「一人の個人の内面」で起きている場合も非常に多く、むしろその構造が外部に投影されて人間関係に表れているとも言えます。


🔄 カルマントライアングルが個人内で起こっている例:

  • 内なる被害者:「私はどうせダメ」「私ばかり損してる」「なぜ誰も助けてくれないの?」

  • 内なる加害者/迫害者:「お前は甘えてる」「そんなことじゃ成功しない」「もっと努力しろ」

  • 内なる救助者:「頑張らなくても大丈夫だよ、私がなんとかする」「代わりに○○してあげる」

この三者が頭の中で入れ替わり立ち替わり、内面で葛藤や罪悪感、自己否定、自己正当化などを生んでいる状態です。


🎯 解決の方向性:「トライアングルを降りる」こと

1. メタ認知する:三役を識別する

まず、自分の中でどの役が今、声を発しているかに気づく必要があります。

  • 今「私が悪いんだ」と思っている → 被害者パート

  • 「あんなやつに負けるなんて…」→ 加害者パート

  • 「私はいつも人を助けすぎて疲れる」→ 救助者パート

2. それぞれの役の「背後にあるニーズ」を聴く

  • 被害者は:「理解してほしい」「休みたい」

  • 加害者は:「自分を守りたい」「コントロールしたい」「不安」

  • 救助者は:「愛されたい」「価値を感じたい」「見捨てられたくない」

三者とも、実は「安全・愛・承認」が欲しいだけです。

3. 大人の自己(Adult Self)を育て、統合する

この「大人の自己(観察し、選択する自己)」を育てることで、三役に巻き込まれるのを防げます。

🔧 具体的方法:

  • 日記や内的対話:「今、誰がしゃべってる?」「本当にそのやり方で大丈夫?」

  • TEAモデルで分けて書く:

    • T(思考):「私はもうだめだ…」

    • E(感情):「悲しい、孤独、不安」

    • A(行動):「無理して他人を助けてしまう」
      → 「この思考は、内なる被害者が言ってるのかも?」

  • 統合の問い

    • 「それぞれの声に、どんなふうに寄り添ったらいい?」

    • 「この場面で、自分にとって一番成熟した選択ってなんだろう?」


🕊️ 統合された状態とは?

カルマントライアングルのそれぞれの役割が、健全な形で自己の一部として機能し始めます:

役割 歪んだ形 健全な統合形
被害者 無力・依存 自分の感情を素直に認め、助けを求められる
加害者 批判・攻撃 境界線を守る力、現実的判断力
救助者 介入・自己犠牲 支援したい気持ちと、自分の限界を尊重する共感力

🌱 おすすめセルフワーク(まとめ)

  1. 内的三役を図に描いてみる(顔・名前・セリフを与える)

  2. それぞれに質問する

    • 「あなたは何を怖がっているの?」

    • 「あなたは誰を守ろうとしてるの?」

    • 「あなたがいなくなったら、何が起こると思ってるの?」

  3. 大人の自分が、話を聴いて対話し、役割を引き受ける必要がないと伝える


もしご希望があれば、あなたの中の三役を一緒に言語化したり、対話用のスクリプトを作ることもできます。どうしますか?