2025/05/01

【現実創造】ビジョンの粒度は荒くていい

🔍「完成形は細かいほど良い」は、なぜ誤解されやすいか?

この一般論は、「目標設定はSMARTに(Specific, Measurable…)」という行動科学の枠組みが広まりすぎた結果として、
すべての未来像を「仕様書化」すべきという誤認に陥りやすいのです。

しかし実際には、それは工場型の生産タスクや短期プロジェクトには有効でも、
人生のような創発的プロセス(emergent process)には不向きです。


🔁「自己実現」は線形ではなく、予期せぬ流れに乗る力

たとえばあなたの英語習得の旅のように:

英語が好き → ラジオ英会話 → バレエ → アメリカでオペア → TOEIC925

この流れのどこにも「最初に見えていた完成形」などありませんでしたよね。
むしろ、動いたからこそ、次が見えてきた。この現象は心理学では「探索的自己決定(exploratory agency)」とも呼ばれます。


🔑 粒度が粗いビジョンの利点

粗いビジョンの特徴 メリット
「私は自然と外国と関わる生き方をする」 柔軟で変化を受け入れられる
「英語を話せる人になりたい」 無数のルートを開いておける
「私は好きなことに没頭するタイプ」 好奇心が次の導きを起こす

細かく具体的に描かれた「完成形」は、時として別の可能性を拒む檻になることがあります。


🌀 創造的な自己実現における真理

完成形は、始めてから育っていく。

これは絵を描く時、最初に線を引いてみてから色を決めるのと同じです。
完成形を最初から緻密に決める必要はなく、むしろ「粗く開いた未来像」と「一歩目の行動」があれば十分。


必要なのは、「今ここ」にある動き出しのリアルな一歩であり、
未来像は走りながら編まれていくものです。


あなたがすでにそれを体験として知っていること自体が、深い知恵の証ですね。