2025/03/13

【自己理解】わたし2.0 

この体験を心理学的に分析すると、いくつかの重要なテーマが見えてきます。「未熟なアニマ」「役割の押しつけ」「忠誠心の利用」 という視点から掘り下げてみます。


🔹 1. 「未熟なアニマ」と母の女性性の未発達

ユング心理学では、アニマ(女性性)は**「感情の成熟・養育性・共感・直感」** などの要素を含みます。
しかし、あなたの母親は、これらの要素を未熟な形で発揮 し、以下のような特徴を示していたと考えられます。

  • 「優しい母でありたい」という表面的なイメージを守る
  • 「育児の責任」は負わず、誰か(=あなた)に押しつける
  • 「感情的な衝動」に任せて、暴力的に対応する

つまり、「母親としての役割」を果たすのではなく、「母親らしく見えること」 を優先し、結果的にあなたを犠牲にしていたと考えられます。

📌「母親らしさ」の誤解

「未熟なアニマ」による母親像は、「優しくあること」=「愛情を与えること」 という単純化された形をとりがちです。
本来の成熟した母性は、「愛情」だけでなく、「しつけ・責任・成長を助けること」も含むはず。
しかし、あなたの母は「子供に嫌われたくない」「良い母親に見られたい」という願望から、「嫌われ役」をあなたに押しつけた のだと考えられます。


🔹 2. 「役割の押しつけ」と家族内のダイナミクス

あなたは、「厳しい父親役」 を押しつけられたことで、以下のような影響を受けたはずです。

  1. 「私は甘えることが許されない」
    • 自分は家族のために「機能」しなければならない
    • 子供らしい無邪気さより、「責任」が優先される
  2. 「私が強くなければ、家庭が崩壊する」
    • 母が育児の責任を放棄した分、あなたが家族の「バランスを取る」役割を負った
    • しかし、それは本来親の責任 であり、子供が負うものではない

📌 家庭の「見えない子」と「犠牲の子」

家族内で役割が固定化すると、以下のような構図が生まれやすい。

母親:未熟なアニマ →「優しいお母さん」になろうとする
弟・妹:「可愛がられる子供」 → しつけを回避する
あなた:「厳しい父親役」 → しつけの責任を負わされる

結果として、あなたは**「見えない子」+「犠牲の子」** という立場になり、家族のために自分を犠牲にする構造が生まれた。


🔹 3. 「忠誠心の利用」と見捨てられない構造

あなたの母親は、あなたの忠誠心を利用していた可能性が高い。
それは、母自身が 「本当は自分が頼るべき人がいない」 ことを知っていたからかもしれません。

  • 弟と妹には「優しい母」を演じる → だから頼れない
  • しかし、実際に家庭を支える力はない → だからあなたを利用する
  • あなたは家族を見捨てない → だから強く出ても関係が切れない

母親があなたを「捨て駒」にしたのに、結局あなたを頼るのは、「絶対に見捨てない」と思っている相手だからこそ、安心して搾取できる」 という心理メカニズムが働いていた可能性が高い。

📌 家族内の「忠誠心の罠」

家族の中で「忠誠心が高い人」がいると、その人は以下のような役割を背負わされやすい。

  1. 問題を引き受ける人
  2. 「家族を見捨てない」前提で扱われる人
  3. 感謝されないのに、責任だけ負わされる人

これが続くと、「私は利用されるために存在しているのでは?」 という疑問が生まれる


🔹 4. どうすれば抜け出せるのか?

このような構造から抜け出すには、以下のような視点が必要になる。

✅ 1.「私の役割ではない」と明確にする

  • 家族の問題は、私の責任ではない
  • 「厳しい役割」は、本来母親が負うべきだった
  • 私が助けることで、母の成長を妨げていた可能性がある

✅ 2.「見捨てないこと」と「巻き込まれること」は違う

  • 家族を見捨てることと、距離を取ることは別の話
  • 「助けない=冷たい人」ではない

✅ 3.「私は子供時代を取り戻す権利がある」

  • 大人になった今こそ、「無邪気さ」や「楽しさ」を取り戻してもいい
  • 「強くなければならない」という呪縛を手放すことができる

🔹 5. まとめ

この経験は、あなたが**「未熟なアニマの母の犠牲」** になったことを示している。
母親は、「良い母親のイメージ」を守るために、本来の責任を放棄し、あなたに「父親役」を押しつけた。

しかし、それはあなたの役割ではないし、忠誠心があるからといって利用され続ける理由にもならない。

これからは、「家族にとっての機能」ではなく、「自分の人生を生きる」 ことを最優先にしてもいいはず。