2025/05/21

【アートセラピー】喪失悲しみのワークーーセルフセッション「Blue Mourning シリーズ」

 以下、各青系顔料(PB = Pigment Blue)のざっくり一言特徴リストです:

顔料番号一言特徴
PB15 フタロシアニンブルー超鮮やか・高発色・強着色力(冷たく青緑がかる)
PB16 フタロシアニンブルーPB15よりやや赤味より・透明感あり
PB17 フタロシアニンレーキ染料系に近い・透明で深い青・耐光性に注意
PB27 プルシャンブルー深みと重さ・クラシカルでムーディー・やや緑がかる
PB28 コバルトブルー明るくスモーキー・落ち着き・高級感・やや不透明
PB29 ウルトラマリンブルー赤味・温かみのある青・粒状感あり・詩的で穏やか
PB33 マンガニーズブルー明るく軽やか・爽やか・現在は合成代用品が多い
PB35 セルリアンブルー空の色・濁りに強い・やや緑味の明るい青
PB36 コバルトクロムブルー鈍めで曇りにくい・落ち着いたティール寄り
PB60 インダンスロンブルー暗く力強い・インディゴ風・深い夜の青
PB66 インディゴ自然な渋さ・退色しやすい・布染めの伝統色風


そのような深い喪失、特に「弟を失った死の悲しみ・罪悪感・後悔」という複雑で静かに重い感情には、以下の3色が特に適しています:


🕯 PB27 プルシャンブルー(Prussian Blue)

  • 理由:
     沈黙のような重さ。過去の記憶に引きずられるような、深く鈍い哀しみ。
     自責・罪悪感を伴う追憶の色としてぴったり。

  • 色感覚:
     暗く重厚、やや緑がかる青。クラシカルで、悲劇の記憶に寄り添う。


🥀 PB29 ウルトラマリンブルー(Ultramarine Blue)

  • 理由:
     あたたかくも痛みのある悲しみ。
     「取り返せない時間」「もう会えない人への祈り」に適した色。
     涙と共にある悲しみの表現に向く。

  • 色感覚:
     赤味のある柔らかさ。粒状感が感情のざわめきを伝える。


🌌 PB60 インダンスロンブルー(Indanthrone Blue)

  • 理由:
     **「言葉にならない深い後悔や孤独」**に合う夜のような色。
     魂の深層に沈む思いを象徴できる。強いけれど表に出ない悲しみ。

  • 色感覚:
     インディゴに近い、暗く静かな深い青。重厚で深遠。


この3色を重ねたり、流し絵にしてにじませて表現することで、
「喪失+罪悪感+後悔」の入り混じる複雑な感情を、
言葉を使わずに紙の上に流すことができます。

はい、感情の深さと繊細さを受けとめてくれる紙の質感と性質はとても大切です。
「弟を失った死の悲しみ・罪悪感・後悔」のようなテーマにふさわしい紙は、感情を受けとめ、にじみや重なりを許してくれるものが良いです。


🎐おすすめの紙3選(※水彩紙中心・流し絵向き)


①【ホワイトアイビス(中目 or 粗目)】

  • 特徴: しっとりとした吸水性と、繊細で滑らかな風合い。

  • 合う感情: 「やさしさを含んだ悲しみ」「誰にも言えない涙」

  • 技法: 流し絵・滲ませ・グレーズに向いている

  • 相性色: ウルトラマリンブルー、プルシャンブルー


②【ウォーターフォード(粗目)】

  • 特徴: 表面の凹凸が大きく、粒状感やグラニュレーションが豊かに出る

  • 合う感情: 「奥深い後悔」「記憶のざらつき」

  • 技法: にじみ、色の粒立ち、レイヤーに向いている

  • 相性色: インダンスロンブルー、ウルトラマリンブルー


③【アヴァロン(中目)】

  • 特徴: 若干スムーズで和紙のような印象もあり、落ち着いた質感

  • 合う感情: 「静かな祈り」「受け入れがたいけれど包みたい喪失」

  • 技法: 水の扱いも容易で、染みこむような表現が可能

  • 相性色: プルシャンブルー、ウルトラマリンブルー


✨補足

  • 水彩絵の具を垂らして流す系なら、高吸水で凹凸のある紙が向きます。

  • にじみがきれいに出る紙=感情が勝手に語り出す媒体になります。


もし、「紙を重ねて作品にする」「透け感を活かす」など意図があるなら、それに合わせた提案もできます。
描くプロセス自体が癒しの儀式になるかもしれません。どんなふうに描きたいか、ちょっとだけ聞かせてくれますか?

それ、とても深い内的ワークですね。

あなたのやっていることは、まさに:

「感情を紙に移し、無意識と出会い、再物語化する行為」

つまり、**流し絵(無意識)× 意味づけ(意識)**の融合。
それにふさわしい紙は、「偶然を美しく受けとめてくれる紙」です。


🎨流し絵+意味づけに最適な紙:再整理

紙名 特徴 向く色 備考
ウォーターフォード 粗目 絶妙な凹凸が偶然の形を引き出す ウルトラマリン/インダンスロン 乾いたあとに「何かが見えてくる」紙。イメージ化しやすい
ホワイトアイビス 中目 にじみすぎずコントロールしやすい プルシャン/ウルトラマリン 柔らかく繊細な悲しみに◎。色のやさしい重なりが可能
アヴァロン 中目 繊細さと染み込みのバランスが絶妙 プルシャン/コバルト系も◎ 意味づけしやすい静けさ。イラスト要素の加筆にも向く

✍️描き方のアドバイス(よかったら)

  1. たっぷり水を含ませて一滴ずつ垂らす

    • 水の量で「涙」「浸食」「滲出」のような雰囲気に変化が出ます

  2. 紙を傾けて流す

    • 流れる方向に意味を感じられることも(過去→現在→未来)

  3. 乾いたあとで「何に見えるか」眺める

    • クライマー、氷、魂、空白、骨、祈り…何が浮かびますか?

  4. その上に線で“見えてきたもの”をなぞる/描き込む

    • あなたが感じたものに“声”を与える瞬間です。


悲しみや後悔は、形を持たないまま心に沈んでいきがちだけど、
それを絵にすることで「見えるもの」として対話が始まります。

もし完成作品をシリーズ化したくなったら、タイトルづけや展示方法の相談にも乗れますよ。
たとえば「Blue Mourning シリーズ」とか、あなたらしい名前をつけていきませんか?