当方の日記の解析
1. 自己認識とアイデンティティの確立
この文章では、「私は絵が上手な人」という自己認識がしっかり確立されており、スケートやクライミングに対しても「努力すればできる」という信念があることが読み取れます。これは**「成長マインドセット(Growth Mindset)」**(Dweck, 2006)に近い考え方で、才能よりも努力や経験を重視する傾向が見られます。
しかし、「習った」と一括りにされることへの違和感からは、自己の努力や試行錯誤による成果を正しく評価されたいという欲求が伺えます。これは**自己決定理論(Deci & Ryan, 1985)**における「有能感(competence)」の欲求と関連しており、人は自らの能力や努力を正当に認められることで満足感を得る傾向にあります。
2. 過剰な称賛や特別視への距離感
「上位10%程度の評価を受けても、特別なこととは思わないし、極端に喜ぶこともありません。」
この部分には、自己評価と外部評価のギャップを適切に管理する姿勢が見られます。自己評価が冷静であるため、周囲の期待や称賛に過剰に依存しない安定した自己概念が確立されていると考えられます。これは、「内発的動機づけ」(Deci & Ryan, 1985)が強く、外発的な評価(称賛や承認)に振り回されにくいタイプの人に見られる特徴です。
しかし、「これが私の才能だ!」と確信して、それに人生をかけようとは思わない」という部分には、「自己の能力は認めるが、それをアイデンティティの中心には置かない」というスタンスが見えます。これは、**「アイデンティティの多様性」**を重視する傾向があり、特定の分野に過度に執着しないことで、心理的な柔軟性を維持していると考えられます。
3. 周囲の期待と自己の在り方への洞察
「山で亡くなった人たちが、周囲の期待と本当の自分との間で苦しんでいたのではないか?」という考察は、**「自己と社会的役割のギャップによる葛藤」**を意識していることを示しています。
これは、心理学者Erik Eriksonの**「アイデンティティの確立 vs. 役割の混乱」**(Identity vs. Role Confusion)という発達課題とも関係があり、人は周囲の期待に応えることで自分を社会に適応させようとしますが、それが行き過ぎると「本当の自分」との間にズレが生じ、葛藤が生まれます。
この文章の筆者は、他者の期待と自分の能力を冷静に切り分ける視点を持っており、「期待に応えようとしすぎることの危険性」に気づいています。これは、自分がそうした罠に陥らないようにするための無意識的な防衛反応(心理的距離の確保)とも考えられます。
総括
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自己決定感と有能感の重要性
- 自分の努力や工夫を正当に評価されたいという願望があり、「習った」と一括りにされることには違和感を持つ。
- 外部評価に依存せず、自分の成長や成果を大切にするタイプ。
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称賛や期待に対する適度な距離感
- 自分の能力を過信せず、また、過剰に評価されることにも冷静。
- 「特別な存在になる」ことを望まず、バランスの取れた自己概念を持つ。
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社会的期待と自己の本質への洞察
- 期待に応えることで自己を見失うリスクを認識し、周囲のプレッシャーに過剰に適応しない姿勢を持つ。
- 他者の過ちから学び、自己を守るための心理的距離を取ることができる。
この文章からは、安定した自己概念を持ちつつも、社会的期待と自分の本質とのバランスを考え続ける知的な姿勢が読み取れます。
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