2025/02/13

【防衛】反動形成について

 反動形成(Reaction Formation) を防衛として持つ人の幼少期には、「本当の感情を否定し、正反対の態度を取らざるを得なかった経験」 があることが多いです。

1. 自然な感情を否定され、抑圧された経験

  • 「怒ってはいけません」「そんなことを思うなんて悪い子ね」 と感情を抑え込まれた。
  • 親が厳格で、特定の感情(怒り、嫉妬、自己主張など)を認めなかった。
  • 例えば、「親に反抗すると愛されない」と感じ、本当は怒りがあるのに、従順で優しい子を演じた

本当の気持ちを抑えるために、正反対の態度を取るクセがつく

2. 「愛されるためにはこうあるべき」という強い条件づけ

  • 家庭のルールが極端で、「親切でいなければ愛されない」「優しくなければ見捨てられる」と学んだ。
  • 例えば、兄弟を強く嫉妬していたのに、「お姉ちゃんなんだから優しくしなさい」と言われ続けた結果、「嫉妬心」ではなく「過剰な献身」になった
  • 「正しい態度を取らないと愛されない」と感じ、本心と逆の行動をとるようになった。

「本当は嫌だけど、無理に優しくする」など、反動形成が起こる

3. 家庭がアンビバレント(愛と支配が混ざっている)だった

  • 「親の愛」が条件付きだったり、情緒不安定だったりした
  • 例えば、「母親がとても優しいときもあれば、突然冷たくなる」など。
  • 「自分が悪い子だと見捨てられる」という恐怖があり、本音とは逆の「理想的な子供」を演じるようになった。

本当の感情を否定し、「求められる人格」を身につける

4. 「こうでなければいけない」という道徳観や価値観の押し付け

  • 道徳や宗教的な厳しさの中で育った。
  • 例えば、「性的な欲望は汚いもの」「怒るのは未熟で悪いこと」など、強い価値観を押し付けられた。
  • でも、当然ながら人間にはそういう感情が自然にある。だからこそ、「そんな感情は持っていない!」と無理に正反対の態度を取る
    • 本当は欲求があるのに「清純で禁欲的なふるまい」をする。
    • 本当は自己主張したいのに「献身的で控えめ」になる。

「本当の自分を隠すこと」がアイデンティティになる

5. 恐怖と無力感を打ち消すための反応

  • 幼少期に怖い思いをしたり、無力感を抱いたりする経験があった。
  • 例えば、「本当は怖くてたまらないのに、強がる」「本当は傷ついているのに、笑って誤魔化す」。
  • 「怖い・弱い・傷ついた」という感情を受け入れるのがつらすぎるので、逆の態度を取る

「大丈夫!」「私はそんなこと気にしない!」と、強がることで心を守る


まとめ

反動形成は、 「本当の感情を受け入れるのが怖すぎる」「その感情を持つことが許されなかった」 という背景から生まれることが多い。
そして、本来の気持ちを抑えるために、「正反対の態度」 をとるようになる。

  • 「怒り」を抑えて、過剰に優しくなる。
  • 「弱さ」を隠して、極端に強がる。
  • 「性的欲求」を否定して、純粋さを強調する。
  • 「自己中心的な欲求」を抑えて、過剰に献身的になる。