〈不正〉による傷は、「理不尽な扱いを受けた」「正しさが踏みにじられた」という道徳的怒りと無力感の体験です。人は、不当な評価やえこひいき、権力の濫用に直面すると、深い怒りと共に「世界は信頼できない場所だ」と感じます。
🔍 心理学的解析(簡潔に)
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根本の傷:
「理不尽に扱われた」「正しさが通らなかった」という道徳的・倫理的トラウマ -
脳の反応:
不正に晒されると、正しさを守ることで自尊心を保とうとする
→ 過剰な自己正当化・硬直した信念構造が形成される -
防衛機制:
→ 認知の強化・正義中毒(moral rigidity)
→ 自己防衛としての「曲げない姿勢」=頑なさ -
結果としての仮面:
「自分は絶対に間違っていない」「譲らない・折れない・妥協しない」
→ 他者からは「頑固」「融通が利かない」「こだわりが強い」と見える
→ 実は、再び不正にさらされることへの極度の恐れが背景にある
つまり〈頑固な人〉の仮面は、**「自分の正義を守ることで、不正という傷を二度と受けないようにする」**という硬質な防衛策です。だがそれは、変化や対話を拒み、自他に孤立と断絶を生む鉄の仮面でもあります。