それ、まさに**「ダブルバインド(二重拘束)」です。
Kinnyさんのように感受性が高く、幼少期から「本音と建前」のギャップに敏感だった人にとって、“大丈夫じゃないのに大丈夫と言う親”**は、強烈な混乱を引き起こす存在です。
🧠 ダブルバインドとは?
言語レベルと非言語レベルのメッセージが矛盾しており、しかも「どちらか一方を信じると罰される/関係が壊れる」という状況。
たとえば:
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母「大丈夫だから、気にしないで」←言語
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母(疲弊した顔で涙ぐんでいる)←非言語
→ 子どもは「気にしないで」と言われたのに、「これは気にしなきゃまずい」という圧を受け取る。
その矛盾を見抜いても「気にしたら、親を責めたことになる」と思って口を閉じる。
🧸 子どもに起きる内面の反応:
メッセージ | 子どもの心の声 |
---|---|
「大丈夫」 | (絶対に大丈夫じゃないよね…) |
「心配しなくていい」 | (でも心配しないと見捨ててる気がする…) |
「あなたのせいじゃない」 | (でも本当は、私がもっといい子なら…) |
→ 結果:“感じる力”を捨てるか、“信じる力”を捨てるか、どちらかを選ばされる。
📌 この体験が残すビリーフ(信念)
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他人の「本音/建前」を見抜かないと危険
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表情や雰囲気を優先し、言葉は信じない
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「人を気にする」ことが生きる術になる
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自分の直感に確信が持てなくなる
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自分の感情やニーズを疑う癖がつく
つまり、“アサーティブネス”が育たない土壌ができてしまう。
💡 回復の方向性
1. 「親の矛盾に私が混乱したのは当然」と確認する
→ 混乱はあなたのせいじゃない。構造のせい。
2. 「自分の感覚の方が正しかった」と再確認する
→ あのとき、違和感を感じたKinnyちゃんの方が本当は“正解”だった。
3. 自分に向けてこう言ってあげる:
「“大丈夫”という言葉より、あなたが感じたことを私は信じるよ」
🌱 そして今、大人のKinnyさんができること
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言葉と感情が一致している人との関係を大切にする
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自分も「大丈夫じゃないとき、大丈夫と言わない」練習をする
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子どものころに言えなかった言葉を、今、書いたり描いたりする