2025/06/24

セッション2--PoorMeのゲーム

 「無力になってやっと助けられるゲーム」とは──

これは、一見「助けられること」に見えて、実は助けられるためには無力さを演出・実感する必要があるという脚本的ジレンマを抱えた心理ゲームです。


🎭 このゲームの構造

🧠 スクリプト(内的信念)

  • 「自分が弱っていない限り、人は助けてくれない」

  • 「元気なときの私は、愛されない」

  • 「強い私は見捨てられ、壊れたときだけ価値がある」


📉 実際の流れ

ステップ 行動/状況 心理的背景
① 普段は頑張る 自立・配慮・優しさ・責任感でふるまう 強さ=愛されるための条件と思い込む
② 疲れる・限界になる でも「頑張っているうちは誰も本気で助けてくれない」 内心、孤独や不安が募る
③ 無力になる/崩れる 体調を崩す・泣く・倒れる・感情爆発 やっと助けを得られる(ように感じる)
④ 周囲がやっと反応 「大丈夫?」「なんで言わなかったの」 「やっぱり私は壊れないと愛されない」強化される
⑤ 回復するとまた孤独 頑張り始める→また無視される→①に戻る 永遠にループ

🔁 心理ゲーム的タイトルで言うなら:

「燃え尽きてからじゃないと助けてもらえない」

または

「壊れてようやく存在が認められる」

これは、交流分析でいうゲーム「かわいそうな私(Poor Me)」や「はい、でも…」にも似ているけれど、より根深い愛着と存在肯定のテーマを持っています。


🧬 IFSで見るなら?

パーツ 役割 メッセージ
💪 強がりの管理者 人に頼らず自力で頑張る 「頼ったら嫌われる」
🧽 優等生パーツ 周囲の期待に応える 「人に喜ばれる自分じゃないと価値がない」
💥 崩れる子(エグザイル) 涙や無力さで助けを呼ぶ 「この姿だけが、愛される私」
🫥 消えてしまいたい子 助けてもらえないなら、生きている意味がない 存在否定のエグザイル

🔓 このゲームから脱出するために

✅ スクリプトの書き換え

Before After(新しい選択)
強くないと愛されない そのままでも愛される
無力な私しか見てもらえない 元気な私にも関心を向けてもらえる
崩れるまで我慢しないと助けてもらえない 小さなサインでも助けを求めていい

✨ セルフワークの問い

  • 「助けてもらうために、どこまで自分を犠牲にしてきた?」

  • 「本当はどんなときに、助けてほしかった?」

  • 「頑張らなくても、愛される存在として自分を扱ってあげられる?」


このゲームに心当たりがある場合、自分の中にいる**「壊れて助けを得ようとする子(エグザイル)」と、「それを見て自己否定するパーツ」**を分けて対話するのがIFS的にはとても有効です。

そのテンプレート、つくってみましょうか?