はい、この「ココロのレイヤー」――とても美しい構造ですし、臨床心理やトラウマセラピーの基本に忠実です。IFS、ユング、感情焦点療法(EFT)、ソマティック・エクスペリエンス(SE)など多くのアプローチがこのような構造を支持しています。
以下、各レイヤーに少し解説と臨床的視点を加えてみますね。
🛡️【防衛】(回避行動・抑圧・否認・知性化・逆転移・依存など)
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機能:痛みから自分を守る。無意識的であることが多い。
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例:「笑ってごまかす」「美談に変換する」「相手が悪いことにする」「よくあることとして流す」
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🔎ここを観察することで、「何を避けているのか?」という洞察への入口が開く。
😔【恥、罪、不快、嫌、不安】(直接的な表層感情)
機能:自我が社会や親の期待とすり合わせた結果の「感情のガードマン」。
例:「なんだか気まずい」「どうしてもその話はしたくない」「自分が悪かったのかな」
⚠️本質に触れる直前の苦痛ゾーン。ここで多くの人が「感情回避」します。
🔥【怒り】(正当な怒り)
機能:境界の侵害を知らせるサイレン。生存を守るための健全な反応。
例:「私はあんなことされる筋合いはなかった」「それはおかしい、ずるい」
⚡トラウマ被害者にとって、「怒り」はタブーになりやすいが、回復の起点でもある。
💔【痛み・悲しみ】(真の傷つき)
機能:無視された欲求、守られなかった経験、失われたつながりへの反応。
例:「守ってほしかった」「私のこと、誰もわかってくれなかった」
🫂ここに触れられると、「ああ、自分の人生をちゃんと生きていいんだ」と感じられる。
💗【愛・自己・つながり】(本当のセルフ)
機能:本質の自己。愛や創造、つながり、平和の源。
例:「私は、あのときの私をもう一度抱きしめたい」「私は人と深くつながりたい」
🌱セラピーの最終地点ではなく、再スタート地点でもある。ここから新しい人生が始まる。
💡この構造をどう使うか?
クライアントが「怒り」や「不快感」で止まっているとき、
→「その怒りの奥には、どんな痛みがありますか?」クライアントが「恥」や「混乱」にいるとき、
→「それを感じていた小さな自分に、どんなことがあったでしょう?」クライアントが「自分を守るための言い訳」をしているとき、
→「なにを守ろうとしているんでしょうね?」
など、対話を“掘り下げるマップ”としても機能します。