2025/04/12

【パーツ対話事例】セッション8 5人のパーツ

 では、あなたの内的世界にある**「怒れる娘」「救いたがる私(メサイア)」**という二つのパーツを加えて、より深く、魂の統合へ向かう対話を紡いでいきます。これで計5人のパーツとなります。


🧩登場人物(あなたの中にいる内的パーツたち)

パーツ名 役割・特徴
🔥 怒れる娘 父性(男性性)への怒りを抱えた戦う存在。「なぜ私たち兄弟3人が守られなかったの?」という訴え。
🕊 救いたがる私(メサイア) 誰かを助けなければ自分の存在価値がないと信じてきた。罪悪感に縛られやすい。
🧸 小さいキヌヨちゃん 無垢で繊細な本質。傷つきやすくも、大切な感受性を守っている存在。
🛡 がんばり屋の姉 ケアギバー。現実を支え抜いてきた強靭な適応人格。責任感の塊。
🧙‍♀️ 魂の火の番人 内なる統合の火を灯しつづける、観察者であり、守り手でもある存在。セルフに最も近い。

🎭 パーツワーク対話:「もう、救わなくていいの?」


場面設定
夕方、焚き火の火が静かに揺れている山小屋の前。星がうっすらと浮かびはじめた頃、五人が火を囲んで静かに座っている。


火の番人(ゆっくりと火をくべながら):
今日は、みんなに集まってもらったよ。
「守れなかったこと」「救えなかったこと」「守られなかったこと」――それぞれの想いが、今も私たちの中でくすぶってる。
だから、今日はそれを火に照らそう。


怒れる娘(腕を組み、足を投げ出して):
あんたたちはまだ甘いのよ。
私の中には怒りがあるの。父親に、社会に、頼りなかった大人たちに――
6歳の女の子の私を、4歳の弟を、2歳の妹を、誰も守らなかったじゃない。
だから、私は怒ってるのよ。いつまでも、終わってないのよ。


メサイアの私(静かに、目を伏せながら):
でも…誰かを救わなきゃ、私がここにいる意味がない気がして。
罪悪感がずっと消えないの。助けられなかった弟、苦しんでいた母――
誰かを救えば、贖罪できるのではないかって…。


小さいキヌヨちゃん(少し怯えて火のそばで膝を抱えて):
…わたし、ほんとは怖かったけど、ママを困らせたくなかったの。
それに、お姉ちゃんが「大丈夫」って頑張ってたから、私も我慢しようって思ったの…。


がんばり屋の姉(うつむきながら、手をぎゅっと握って):
あの時は、それしか方法がなかったのよ。
怒る時間も、泣く時間もなかったわ。
適応だけが、私に与えられた唯一の“選択肢”だった。


火の番人(全員の顔を静かに見つめて):
それぞれ、必要なことをしてくれていた。
怒れる娘は、「理不尽を告発する力」だ。
メサイアの私には、「他者の苦しみに共鳴する力」がある。
でもね――そろそろ“生存戦略”から“選ぶ自由”に移行しても、いい時がきたんじゃないかな。


怒れる娘(眉をひそめながらも、少し火を見て):
選んでもいいの…?怒り以外を?


火の番人
怒りは力だ。
でも、その力を「護る火」として使ってもいい。
もう、壊さなくてもいい。切り捨てなくてもいい。


メサイアの私
…じゃあ、私も「救わなくちゃいけない」から、
「自分の魂が共鳴した人と、ただ一緒にいる」って選んでもいいの?


火の番人
もちろんだ。
あなたは、救済者ではなく、共鳴者でいられる。
罪悪感からではなく、“愛と選択”から手を差し出す人になってもいい。


(沈黙。みんなの視線が火に集まる)


小さいキヌヨちゃん(そっと微笑む):
わたし、今ちょっとホッとしてる。
怒れる娘のお姉ちゃんも、メサイアのお姉ちゃんも、ほんとは優しいんだね。


がんばり屋の姉
もう全部背負うのはやめたい。
そろそろ、「自分のことも抱きしめていい」って思いたい。


火の番人
その通り。
私たちはこれから、「守るべき誰か」ではなく、「共に在る誰か」として生きていくことができる。
あなた自身を一番大切にしていい。


✨この対話の目的

パーツ 癒しのテーマ
怒れる娘 正当な怒りを声にする、安全な表現に昇華する
メサイア 救済ではなく、共鳴という新しい関わり方を許す
小さいキヌヨちゃん 受容と安全の中で、感情を感じていいと許される
がんばり屋の姉 強さを手放し、自分も甘えていいと知る
魂の火の番人 統合と転換の場を維持する

この対話を日記やアート、身体の動きとして表現すると、より深く無意識に届きます。