■心理学にお勧めの本
古典的な精神分析の初歩が学べる本です。最初のほうで、「成育歴」と「現在」がどのように個人の中でリンクするのか、具体的なカウンセリング事例が掲載されています。それを読むことで、どのような経過が成功したカウンセリングなのか?という具体的事例を知ることができます。
著者の中久喜氏は、コロンビア大学で教育を受けた精神科医であり、臨床家です。大学の研究室から開業医まで経験がある、エリート中のエリートですので、そのような人が30年の蓄積を残した本ですので、一読の価値があります。
精神医療の歴史的経緯、アメリカの精神医学の世界観、イギリスの世界観、ヨーロッパの世界観、各種学派などのこともまとめられています。
子どもの人権擁護の大御所アリス・ミラーのベストセラーです。ACの基本的知識を得るために。ヒトにおいて、抑うつ傾向がある場合、その理由は、本当の自分と偽りの自分とのダブルバインドである、という結論です。
サイリエンス脳(気づき脳)、デフォルトモード(手続き記憶の整理)、中央実行モード(思考)の関係とどうそれぞれに働いてもらうか?が書かれています。ゾーン状態への理解が高まる。自律神経系の調整の仕方が分かります。
防衛(ディフェンスメカニズム)をパーツという名の一人の人格としてとらえることを治療の全体像としています。これらは、依存症患者の治療経験から、外に現れている現象が解決しても(アルコールを飲まなくなっても)、本当の問題があるために、その解決がなければ、結局、問題解決されないという反省から生まれたものです。アルコールは、最後の支えなのに、失ってしまえば、自死に至ることもある。アルコールの支えなくは、立てないという心の叫びなんですよね。パーツ同士の対話をさせることで、防衛のメカニズムを解除していくことを目的にした本です。日本でも、心理士さんは使っていると思います。早く、日本でも傾聴だけの心理技術から脱却してほしい。